リンクトインを利用した営業方法には大まかに2種類あります。営業というと、活動的な印象を持つ人が多いと思いますが、静かに深く進む営業もあります。営業活動をされている方は感覚で理解している事でしょう。ここでは次の2つについて述べたいと思います
- 従来の営業方法をLinkedInで展開する際の注意
- インバウンドマーケティングを中心とする営業活動への移行
- ソーシャルセリングを活用して、今までにない営業方法
1.従来の営業方法をLinkedInで展開する際の注意
1つ目の営業は従来の営業方法をリンクトイン上で展開した場合です。これは専門的にいうと #アウトバウンド 中心の営業方法になります。広告を打ったり、DMの送付がその代表的な手法になります。自社の取扱商品やサービスを売り込むためのポストであったり、もちろん電話やDMもありますね。これらの活動は、短期でその成果が分かります。投入費用に対しての結果が見やすいのです。
LinkedInではアウトバウンド営業用に、さまざまなツールが用意されています。広告を管理するキャンペーンマネジャーと呼ばれる広告管理画面は癖がありますが、慣れればなんとかなる感じです。予算がある場合には、LinkdInの広告を理解している代理店に頼むのも良いかもしれません。今までFB等の広告アカウント等を触った事がない人は、最初につまづく点です。
またその他にDMを打つ事もできます。InMailという呼ばれる機能です。繋がっていない人、すなわちターゲットを設定して、パーソナライズ化を行い、メッセージを送ることが出来る機能です。LinkedInはフィルター機能が素晴らしいので、アウトバウンドデジタル営業に慣れている人には、素晴らしく思える機能ですね。
どちらも少額のから始めることが出来ます。まずはご自分自身で試してみるのは良いことだと思います。
しかしながら、ソーシャルセリングではインバウンドを中心に展開するのがポイントですので、私はまずはプロフィールの整備とポストを推奨しています。こちらのソーシャルセリングについてのポストを参照されると良いでしょう。
アウトバウンド営業が得意な方で、LinkedInを利用する場合、注意しなくてはいけないのは、初見の方に、いきなり営業のメッセージを送る事です。LinkedInの機能であるInMailを使ったアプローチでは常套手段ですが、マイナス面を理解しておく必要があります。いくつか例をあげてみましょう。
例1
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例2
Kamata 鎌田 保様
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どちらもInMailで受け取ったメッセージです。皆さんはこの種の連絡を、知らない人から受けたらどう思われますか?私は困惑します。LinkedInで売り込み営業なんか欲しくないんですね。また、送信内容のパーソナライズ化は中途半端で、機械的に送られたのが分かります。そして売り込みの一方通行なメッセージ。さらに送信者のプロフィールを確認してみると、本人確認がしっかり出来ない場合があります。「いったい誰なんだろうか?」そんな疑問が頭をよぎります。プロフィールが、プロっぽくない印象や、偽アカウントの印象を受けると、どんなに素晴らしい内容でも、スパム扱いになります。
日本のリンクトインでも、一時期複数の分野の方がこのアプローチを激しく取られたようですが、いつの間にか見なくなりました。LinkedInの広告の販売は順調のようですので、InMailの利用度合いが変わっただけではないかと思われます。一般にSNSでの販売行動は受取り側が興味がない場合、Push広告は非常に嫌がれれます。
スパムとラブレターの違いは非常に微妙です。受け取った、その瞬間の気分でどちらかになりますね。もう数年前になりますが、LinkedInで日本市場向けの情報が欲しいという人がいて、その人に日本市場参入ガイドのPDFの入手先を連絡したら、スパマー扱いをされました。別の機会に同じ資料を連絡したら、今後はありがとうとなりました。この種の「事故」は確率だけの問題ですが、ないことに越したことはないですね。
スパム判定は、世界で2者しかいません。1つ目はシステムによる判定、2つ目が人間の受け取った時の感情と言われています。「丁度欲しい情報だった」のか「もうお前の顔は2度と見たくない」は紙一重と言えるでしょう。
アウトバウンドは今でも、勿論有効な手段ですが、以前ほどのインパクトはなくなってきました。情報過多な時代にあっては、情報の提供の意味が大きく変わってきたと言えるでしょう。また文化によっても対応が異なるようです。例えば「オランダではDMやコールドメールのアプローチは全く問題なく、現在でも常套手段である」と、2019年12月のLinkedInを活用したリード開発の専門家が発言したのを聞いて、なるほどなぁとも思いました。これは単に国民性の違いだと思います。オランダにはNTT DOCOMO時代に5年滞在したので、それは十分にありえると思いました。
2. インバウンドマーケティングを中心とする営業活動への移行
2つ目の営業は #インバウンドマーケティング 中心の活動です。#コンテンツマーケティング と言っても良いでしょう。ターゲットが望む情報を提供して、リード開拓、ネーチャリングを行なって行きます。ポストやブログ、e-bookを利用した取り込み等が主な手法になります。こちらの場合は結果が出るまで時間がかかる事が、アウトバウンドと異なりますが、リード獲得からの成約率が高いのが特徴です。そして若い人に人気の職業でもあります。
インバウンドマーケティングとコンテンツマーケティングは同意義に使われることが多いと思います。そもそもの生い立ちが違うのですが、両者は切り離すことのできない関係になっています。SNSとこれらの組合せにより、ソーシャルセリングやデジタルセリングと言われる新しい営業体系が生まれました。
こうして2つの手法を理解すると、営業の取るべき戦略が見えてきます。さらに購買層の変化にも目を向けると、さらにはっきりしてきます。MBAに参加している生徒で営業になりたい人は稀です。次世代は自ら情報を求めて、比較するという作業に慣れています。ネットで多くの情報が入手できからです。
現代の売込みは購買層の購入プロセス、商品単価や、市場のおける差別化要因を加味して、営業戦略を考えていくことが必要です。世界では、マーケティングと営業が一緒になって売上を作っていくのが王道です。どちらが良いというより、いいとこ取りをして、営業活動を進めていくべきと思います。
#ソーシャルセリング や #デジタルセリング と言われている手法は、多くの場合はLinkedInを中心とした活動を意味しています。この手法において、上記のコンテンツマーケティングとインバウンドマーケテイングは大事な役割を果たします。
営業活動には見込客からの「拒絶」という大きな壁があります。これをどのように乗り越え、そして英知として身につけるかは、個人の資質もありますが、トレーニングや周りのサポートで随分変わってきます。一つ言えるのは、従来の営業部長の決め文句であった「あの人を知っているから、任せろ」は、どんどん使えなくなってきていることです。ゴルフや接待で受注は過去のスタイルです。何しろ購買に関わる平均関与人数は6名を超えており、購買プロセスへの影響力を強力にするためには、「あの人を知っている」では無理だからです。
3. ソーシャルセリングを活用して、今までにない営業方法
デジタルセリングを活用した営業方法とは、
- LinkedInを活用して購買プロセスに関わるリードを見つける
- 自分のビジネス分野における専門性を発揮したコンテンツを公開し、認知される
- LinkedInを活用して、信頼関係を作ることを目指す
- 購買プロセスに関わるリードが必要としている情報をコンテンツとして公開する
これらの結果、引き合いの声がかかるとなります。
販売する商品やサービスがハッキリとわかっている場合は、ステップ2を実施すべきです。コンテンツの公開は非常に簡単です。この際のコツは、
- 営業トークのコンテンツは禁止。情報提供とメリットを読み手中心の考え方で作る
- 肩の力を抜く。一発必中を狙うより、多量のコンテンツを作ることを考える。
一般に営業と呼ばれる職種は、新規開拓を乗り越えた人たちが、リピートのお客さんを獲得することにより、営業成績の安定化と更なる営業成績を追い求めるものでした。そして日本の営業は、欧米でマーケティング部が担当する職務も同時に行うことが多いですね。
私は最初、何故海外の営業が、私たちの日本の営業スタイルと同じことをやらないのか分かりませんでした。客先に一番近いのが営業です。分かりやすいのがイベントの開催運営やパンフ作りでした。これって基本こちらではマーケティング主導なんですね。
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