非財務系のプロジェクトリーダーやビジネス開発向けのポストです。5000万円のプロジェクト投資で3年後の累積上がりが6000万。プロジェクト承認者の納得感を強める方法は?MBAで学習したプロジェクトを成功に導く方法の一部を皆さんと一緒に考えてみたいと思います。
私はMBAの財務のクラスは、苦手です。しかし、授業では非常に多くの時間が当てられています。ですので、苦痛なので合格ギリギリラインを目指そうと思いました。しかし欧州のTOP MBAでは非常に重要視しているとのことで、考えを改めました。
財務のクラスの課題は、先生が財務なので、財務の視線で、財務用語を使って、財務っぽく話す事なんですね。実際に授業中に議論が進むと「財務的にはこうだが、現実はこう」というダブル・スタンダードが頻発します。
その一方、財務出身でないビジネスよりの先生の場合は、アプローチが全く異なります。非財務系の焦点で話してくれます。Jaume González 先生はその最先端を走っています。
私のような非財務系の生徒にとっての焦点は、どのように財務を理解して、どのように実務に応用するかです。財務を理解して、財務をすることではないのです。ですので、視点が財務関係者と非財務関係者では大きく異なります。
最も簡単で、これだけは理解すべき財務KPIはNPVだ
NPVはNet Present Valueで日本語では正味現在価値 (スペイン語ですとVAN-Valor Actual Neto)です。AcademyIn流ですと、プロジェクトがどれだけ美味しいかを端的に教えてくれるKPIです。
これとIRRの2つを理解するだけで随分とプロジェクトに色がつきます。どちらについてもネットでさまざまな情報が入手出来ますので、このポストを読まれて興味が持たれた方は是非学習されることをお勧めします。
簡単な例題を解いてみよう
では例題です。5000万円のプロジェクト投資で3年後の累積上がりが6000万。利回りを出してください。
1000万の利益が5000万の投資で3年回収できるので、簡易的には
- 1000万/3年=333万/年
- 333万/5000万=6.7% (<-ここで既にこれではないと思った方は、このブログはパスしても良いと思います)
と計算出来ますね。
しかし実際のプロジェクトでは、3年間の上がりは一定ではありません。そこで正味現在価値 NPV-Net Present Value を利用します。回収金額がバラバラな複利計算を一発でやってくれます。エクセル関数はnpvで、必要な数値は以下の3種類だけです。電卓でも出来ますが、エクセル利用で十分です。
1 投資金額
2 毎年の上がり(回収金額)
3 希望投資リターン利率
エクセルの式はこちらです
=npv(利率,0年度:最終年度までの投資もしくは回収金額)
具体例は
=npv(D3,E3:H3)
NPVを計算した結果は下記の表です。出た数値がプラスであれば、投資は希望利率より大きいと判断出来ます。プラス値が大きければそれだけプロジェクトの成功お祝いが大きくなるという事です。「数値の絶対量にこだわる必要はない」がポイントです。
いくつかシュミレーションをして見てください。例えば、投資額と回収額が同じ場合はどうなると思いますか?
非財務系の方には特に数値をいくつか変えて、練習してみることお勧めします。私はこの表を利用して、追加投資(例えば1年目に追加で1000万。この場合は-1000と入力)が必要な場合や、NPVが0やマイナスになるシュミレーションをしてみました。理論をしっかり理解するのも大事ですが、まずは動物的な感覚を持つことが、ビジネス開発者の臭覚向上になります。高度な計算は、優秀な財務の方に協力を頂くのが正解です。
プロジェクト承認判断はここでする
上記の4つのケースを考えてみます。どのケースも3年後は1000万円の累積黒字です。年次毎の回収金額が異なります。どれも5%の希望投資リターンを超えていますので、プロジェクト承認となります。
しかし(既に前述していますが、)どのプロジェクトプランを採用すべきでしょうか?
ここでは、常識を働かして欲しいと思います。年度初期になるべく多くの回収が出来ると嬉しいですよね。NPVを比較してみると、早期の回収額が大きい方が数値が高くなっています。正味現在価値はこうして数値で喜び感情を示すことができるので、プロジェクトの説明には有効だと思います。
利率に注意しよう
希望利率ですが、現実の利率との比較が必要です。例えば、金融商品でも、プロジェクト投資でも構わないのですが、それらの利率がご自分のプロジェクトの利率より高ければ、そもそもプロジェクトに投資する意味がありません。また借入金利が高い場合は、希望利率はそれよりも高くないと、いけませんね。プロジェクトの現地通貨や普段慣れていない通過を利用される際は、注意が必要です。
また利率に限らず、財務用語は、どうやら人によって、呼び方が異なるようです。社内の財務の方に、社内での呼び方を教えて頂くと、プロジェクトプレゼンでも理解を得やすいでしょう。MBAの財務のクラスは5名の先生が担当されましたが、やはり異なっていました。これ非財務系の私のような生徒には、より財務のクラスを難しくする一つの要因でした。
財務の協力を得るべし
プロジェクトの数値概要が出来たら、財務の方の協力を得ることは当たり前ですが、その際に、プロジェクト担当者が財務の知識があると、きっと財務の方はほっとする同時に、より親身になってくれるでしょう。「財務に任せておけば良い」は明らかに良くないですね。
財務に詳しい方であれば、もっとさまざまな角度から色々説明をして頂けると思います。営業やビジネス開発では、ここまでの理解を200%使うことに集中して、これ以上の説明が必要な場合は得意な人にお願いするのが正しいかと思います。
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