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簡単な英語なのに、訳せない

There is no finish lineを訳せますか?

· Education,LinkedIn

簡単な英語なのに、訳せない

こんなことありませんか?例えばこの1977年のNikeのポスターです。「There is no finish line」は直訳すると「ゴールラインはない」です。しかしこれではなんだかピンときません。これはマスター(修士課程)コースでMarketing & Societyの授業で実際に教材として使った例です。

There is no finish line 意味が深すぎてこんなに簡単な英語が訳せません.png

このようにメッセージを受け取った人が、その時の状況により、さまざまな思いを浮かべることが出来るなんて、凄いと思いました。NIkeのケースは、政治と関係する社会的なメッセージを送ることは、ブランドにどのような影響があるのか?その実例としてNikeを授業で最近取り扱いました。たまたまNikeに勤務している生徒がいて、中の人の視点で色々と教えてもらいました。今ではすっかりNikeのファンになりました。「Nikeは凄い」と思う様になりました。会社がというより、組織にまで筋が通っている感覚です。

さて、Nikeの例をフリーランスや中小企業にどの様に当てはめていくことが出来るのでしょうか?現状だけをみると、Nikeのブランドはハードコアーなイメージがありますね。Just do itのブランドは30年を超えて今でも生きています。プロダクトでなく哲学を伝える。筋の通った一貫としたメッセージを送り続ける必要があることが分かると思います。

しかしフリーランスや中小は売上があってなんぼですし、お客様あっての商売でもあります。ですので、いきなりこれはレベルの高いチャレンジかなと思います。そうなると学べることは、プロダクトに魂を込め、それをメッセージに変える事継続性ではないかな思います。時が変わっても変わらない価値観は、大事だと思います。

例えば私の場合、

  1. 「お客様と一緒にゴールを超える」(が最初に頭に浮かんできました)
  2. 次に「集中-フォーカス」(<-言葉足らずな感じがしますが、思い浮かびました)

うーん、まだまだです。There is no finish lineやJust do itと比較が出来ない。直感的に訴えることが出来るNikeの感覚が凄いと思います。

皆さんはどの様なスローガンをご自身のビジネスに思い浮かべますか?例えばですが、アカデミーインお気に入りのAlex Osterwalder氏のThe value proposition Canvasというモデルを利用すると、お客様中心のメッセージが見つかります。これはよくリンクトインのポスト作りや、リード開拓に利用します。しかし、このカンバス(図や文字を利用してビジネスを分析する1種のフレームワーク)では、この哲学までには到達できません。となるとサイモン・シネック氏のWhy-How-Whatのモデルが普遍性と哲学性の分析に最適ではないかと思います。

さて本題の翻訳に戻ると、There is no finish line はその時の状態で様々な意味に変わります。となるといくつかこの種の文を手元に持っていると、その時の心理的状況がより明確になるかも知れませんね。(きっと誰かがこの種の心理テストに名前をつけていると思います)。

MBAでの学習やマスターで教壇に立ってラッキーと思うのは、このようなことを学び、その場で意見交換出来る環境です。オンライン学習も良いのですが、人と人が触れ合うWorkshop形式の学習は効果的です。

著者紹介: 鎌田保 Tamotsu Kamata 1967年生まれ スペインバルセロナ在住。2016年よりMBAで教えながら、2020-22のMBA生徒でもある、ダブルMBAにチャレンジ中。AcademyInの名で、企業向けそして個人向けに20社以上、500名以上の実績を持つLinkedInのビジネスコーチやコンサルを行っている。総合商社出身。1999年にスペインに移住。その後、スペインで初のクリック保証インターネット広告会社を起業する。

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